日本共産党近松さと子の活動日記№2

広島市中区選出の市議会議員です。

2020年9月議会最終日議案の討論を行いました。

日本共産党近松さと子です。
日本共産党市議団を代表して討論を行います。
反対するのは、第100号議案契約の締結です。
第84号議案令和2年度広島市一般会計補正予算(第6号)と第91号議案和解について意見を付して賛成とします。その他の議案は賛成します。
最初に第100号議案 契約の締結に反対の理由を述べます。
これは、広島駅南口再整備事業のうち広電が建設する高架軌道の土台となる橋げたと橋脚を建設するための契約です。事業の全額を市が負担します。利便性が高まり広電もJRも大きな利益を得るにも関わらずこの部分は一円も負担しません。この南口再整備事業は、新たにペデストリアンデッキの整備も追加されて、事業費はどこまで膨らむのかわからない状況になっています。
今、厳しい財政事情だといって子どもたちが我慢をさせられています。31クラス以上の過大規模校6校で、教室が足りません。かわりに夏は暑く冬は寒いプレハブ教室です。それが嫌なら来年の新1年生から隣接校に指定校を変更できるといいます。隣接校と言っても隣の行政区の学校であったり、6キロも10キロも離れた学校も含まれています。通学区域の弾力化の前に、分離増設などで過大規模校の解消を進めるべきです。広島市がすぐにやるべきは、こうした教育優先・くらし優先の事業であり、南口再整備のような事業ではありません。
次に、第84号議案の令和2年度広島市一般会計補正予算(第6号)の中で、サッカースタジアムの建設について意見を付します。サッカースタジアムの建設費の債務負担行為が設定されました。その中で財源の内訳が示されましたが、現時点で県が合意しておらず、県負担分が宙に浮いていることが明らかになりました。県と市の負担分は、約88億であり、270億円の事業費の3割強を占めます。
マスコミ報道では、湯崎県知事が「負担割合1:1は白紙」といい、県議会からは「県と市の関係を見直せ」という発言が大きく伝えられています。県もスケジュールを含む基本計画に合意しているのに、財源確保に対する県の姿勢は大変不誠実だといわざるを得ません。
しかし、県の姿勢の背景には、西日本豪雨災害や新型コロナの対策で財政調整基金を取り崩し、財政的に余裕がないことがあると思われます。新型コロナの収束が見通せない中で、医療・検査体制や苦境に立たされている事業者への支援など対策が待ったなしでもとめられているのは広島市も同じです。
10月から予定していた事業者選定に間に合わないからと今回の予算案の可決を急ごうとしていますが、万が一、県が負担割合の見直しを要求して来たり、商工会議所の呼びかける寄付金が集まらなかったりした場合、一体誰が穴埋めをするのでしょうか。財源の確保が不透明な中で、動き出すというのでは、見切り発車と言われても仕方ありません。市の責任ある対応をもとめます。
最後に、第84号議案の補正予算のうち損害賠償請求事件に係る和解金と第91号議案和解について意見を付します。
広島市役所に入って2年目の女性職員が月100時間を超える残業を行った末、自殺していたことが明らかになり大変な衝撃を受けました。当時の新聞で「人の役に立ちたいと市役所にはいったのに、娘が不憫でならない」と報じられた遺族の言葉を思い起こしています。
その後、遺族は、公務災害の認定を受けたのちに損害賠償請求の裁判を起こされました。今回、裁判所の勧告に従い、市も和解に応じ和解金を支払うとしたものです。和解条項には、再発防止を図るため時間外勤務の縮減やメンタルヘルス対策の充実等、職場環境の整備に引き続き取り組むと明記されています。
この間、月100時間以上の残業をする職員の延べ人数は、大幅に減りましたが、メンタルなど病気で休む人は減っていないと委員会で答弁がありました。
2019年度から労働基準法が改正されて、原則月45時間以下・年間360時間以下とする残業時間の上限が設けられました。しかし、他律的な業務の比重の高い部署は例外だとして、月100時間未満、年720時間以下とするなど過労死ラインといわれる月80時間も超えるものとなっています。
さらに、市の職員は、原則労働基準法が適用されますが、大規模災害、選挙、緊急的な政策立案などを特例業務とみなして、時間外勤務の上限は適用されません。現在、この特例業務に新型コロナへの対応が加わりましたが、統廃合してきた保健所の職員の疲弊が浮き彫りになりました。特例業務だからと長時間の時間外勤務を容認して、職員の健康を害することがあってはなりません。保健所に限らず人員体制の強化をおこなって、遺族と合意した和解条項を守り、二度とこうした事が繰り返されないよう要望します。
 以上で討論を終わります。