日本共産党近松さと子の活動日記№2

広島市中区選出の市議会議員です。

疑惑晴れないのに大幅増額認めていいのか!!

先週13日、広島市議会の最終日は、後世に禍根を残す日になりました。
結局、トンネル工事談合疑惑が晴れないまま、議会は、高速5号線工事費1,5倍大幅増額を認めたのものです。

今回の談合疑惑というのは、聞けば聞くほど不信感が募り疑問が膨らむものです。
このトンネル工事は、事業を進める高速道路公社とゼネコンが200億円の工事契約を結び、住民が反対するなか、昨年9月始めました。
ところが、その直後10月に、ゼネコンが工事費増額を求めていることが公表されました。
当初の200億円というのは、トンネルに必要不可欠の内部工事を落とした契約だったというものです。
前代未聞だと大騒動となりました。

ところが、私たちも公社から稟議書など資料請求しましたが、段ボール一杯の資料は、黒塗りの「のり弁」でした。
真相解明を求める声に対して、公社が第三者委員会を立ち上げました。

今年3月に出された報告書では、当初のトンネル工事200億円の契約は適正であるといいます。
ところが、交渉の過程で、ゼネコンは300億円を要求していた。しかも、公社が予定価格200億円になるように、工事内訳書を書き換えさせたという驚く内容でした。一方で、契約後の増額の約束はなかったというのです。合意があれば、談合です。
約束もないのにゼネコンが200億円で契約を交わしたというのでしょうか。考えられません。

最終的に報告書は、ゼネコンが契約後の増額を期待したが、完成を急いだ公社がゼネコンの意向を軽視した、契約を軽んじたのが原因だというのです。公社というのは、道路交通局長が理事長を務め、市と県の職員が幹部となる組織です。長年公共事業を手掛けてきたプロ集団が、相手側の意向を軽視するド素人のような契約を行うのでしょうか。これも考えられません。
報告は、こうした公社とゼネコンとの間に「認識の違い」があったとして、ゼネコンの増額要求をやむ無しとしました。
そして、市と県は、この報告を錦の御旗にして、増額を容認し、さらに連結道路も足して200どころか347億円へ大幅増額を提案したのが、今回の議案でした。

市は何も知らなかったと公社の責任にしますが、これも考えられません。7月には市に相談があったというのに、トンネルを堀始め後戻りできない昨年10月に公表しました。トンネルありきで市議会もだまして増額を容認した市の責任も重大です。

さすがに、議会では、前代未聞の契約を公社とゼネコンとの認識の違いが原因だとするには、事業を推進してきた議員さえ、納得できないと述べました。
それならば「増額の合意はあったのか。談合かどうか」参考人招致して、直接聞こうと中森議員が建設委員会で提案しました。
ところが、自民党市民クラブ・公明党・市民連合が反対して、実現しませんでした。市民から付託をされている市議会が、行政の事業の疑惑に対して真相解明しないという事態は重大です。

結局、議会最終日も疑惑は晴れていないと言いながら必要な事業だからと言って、ゼネコン言いなりの大幅増額を賛成多数で認めました。
これから、大手ゼネコンに大甘の広島市の公共工事は、足下を見られてどんどん増額されるかもしれません。
市長も議会も公正であるべき市政を歪め、後世に汚点を残したといわざるをえません。